電動車椅子サッカーとは?競技・魅力-身体の一部が動けば誰でもできる-

               

関東ブロック電動椅子サッカー協会役員普及交流担当 眞島哲也

足で蹴らないサッカーであり、体の一部が動けば十分です。重度の障がいでも楽しめます。

電動車椅子サッカーとは?

電動車椅子サッカーは、スパイクの代わりにバンパーと呼ばれるガードを足元に取り付けボールを蹴ります。
操作はコントローラーについているジョイスティックを身体の一部(指、足、顎など)で操り、直径32.5センチの専用ボールを使います。
立位が困難な重度の障害を持つ選手たちは、自分の姿勢や体調に合わせながら電動車椅子を改造し、ポジションをミリ単位でセッティングします。
身体の一部となった電動車いすで見せるプレイは私たちの想像を超えます。

協会 一般社団法人 日本電動車いすサッカー協会(略:JPFA)
競技人口 約500名(登録チーム:35チーム)
コート 最大30m × 18m(主にバスケットコートを利用)
試合人数 1チーム4名(ゴールキーパー1名を含む)
試合時間 20分ハーフ(10分ハーフタイム)
ボール 直径13インチ(約32.5cm)
最高速度 最高速度10km/h以下 ※国内ルールは最高速度6km/h以下
競技者 性別制限なし 公式戦出場は5歳以上
身体障碍者手帳を持ち電動車椅子サッカー操作ができる
安全面 競技者はシートベルトを使わなければいけない

国際的な動き・日本代表チーム

電動車いすサッカーの世界的呼称はパワーチェアフットボールと呼ばれ、世界で楽しまれているスポーツです。
日本代表チームは過去3回の国際大会に参加し上位の成績を残しています。

開催年 大会名 場所 成績
2007年 第一回PIFPAワールドカップ 日本/東京 第四位
2011年 第二回PIFPAワールドカップ フランス/パリ 第五位
2013年 第一回アジア太平洋オセアニアカップ オーストラリア/シドニー 優勝

電動車いすサッカーの魅力

電動車いすで世界が変わります。
選手は自分のコンディションに合わせて電動車椅子をセッティングし、人工呼吸器や拡声器を利用しながらプレーの質を確保しています。
身体の一部が動けば十分で、重度の障害でもサッカーを充分に楽しめます。

電動車いすサッカーの特徴

2on1(トゥーオンワン)ルール

同一チームの競技者2名と相手競技者がボールの半径3メートル以内におり、競技者2人目が次のようなプレーに関わっている場合に反則となります。

  • ①プレーに干渉する
  • ②その位置にいることによって利益を得る
  • ③相手競技者に干渉する

最大時速6キロと時速10キロの違い

国内大会では最大時速の設定が2つあり、それぞれの見所や魅力が異なります。
①最大時速6キロ以下で設定される大会
蹴ったボールに自分が追いつかない:選定を読みあう「緻密な戦術」サッカー
②最大時速10キロ以下で設定される大会(国際ルールに準ずる)
蹴ったボールに自分が追いつく:運動量が多くフットサルに近い「ダイナミック」サッカー

障害者の余暇と就労の充実に向けて

これまで私たちは重度障害者の余暇の充実のため、障害者スポーツイベントの開催や、障害者スポーツのガイドブック制作などを通じて、障害者スポーツの普及活動を行なってきました。
2016年4月に法人を設立し、参加者も協力してくれるスタッフの数も増えてきましたが、財源が都などの助成金がメインであるために活動を拡大していくことが難しくなってきました。また、障害者の方々には、余暇だけではなく、就労意欲を持った方々も多くいらっしゃるため、就労機会を作りたいという思いがありました。

これまでも重度障害のある方々で就労意欲のある方は多くいましたが、通勤が困難なために就労できないという課題を抱えていました。この課題はリモートワークにより解決できるということが言われてきましたが、企業側でリモートワークが浸透していないためになかなか進みませんでした。

コロナの影響により企業側でのリモートワーク環境の整備が進んだこともあり、いくつかの企業様からリモートワークによる重度障害者の雇用に関するお問い合わせをいただくようになりました。
今後さらに「リモートワークによる重度障害者の就労支援」を広げていくため、この度、新たに法人「株式会社CMU Holdings(コミュホールディングス)」を設立することにいたしました。
取材やメディア掲載・講演会などお問い合わせ
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